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銀粘土作品が出来るまで9

実験室を開いてから結構長いのだが
今まで銀粘土作品を紹介している割には
どうやって作るのかについてほとんど書いていないことに気が付いた。
そこで、何度かに分けて銀粘土作品ができるまでをご紹介。
ご興味があればお付き合いください。

注:基礎の部分は別として、デザインからの展開や
制作方法は人によってさまざま。
なので、これからご紹介する方法は

「ああ、こういう方法もあるのね」
「この人はこうやって作るんだな」

位にお考えください。

また、順番に読んで頂いた方がわかりやすいので
もし前回記事をご覧になっていない方はぜひこちらからご覧ください。

~第1回・何を作るか考える~
~第2回・デザインを考える~
~第3回・ねりけしでモデルを作る~
~第4回・銀粘土で制作する・1~
~第5回・銀粘土で制作する・2~
~第6回・銀粘土で制作する・3~
~第7回・焼成~
~第8回・仕上げ(磨き)~

~第9回・実際に使ってみる~

前回までに菓子楊枝が完成したので

「一体次回何をするの?」

と思われた方も多いかもしれない。
だが、作って作りっぱなしはいけない。
実際に作ったものの性能評価~使い勝手を試してみる~ことは
忘れずに実行してほしい。

例えばリングなら指あたりは滑らかであるか、邪魔にならないか。
ネックレスやペンダントなら傾いてしまわないか
服地を傷めたり引っかかったりしないか、重くはないか、などだ。

絵画や彫刻などのファインアートと違い
アクセサリーや小物などの実用品は
使用に耐えるものであって初めてその価値を発揮する。
例えば家だったら、外観や内装がどんなにハイセンスで美しくても
雨漏りがするようではダメなのだ。
とはいえ、実は有名建築家の作品にありがちらしいのだが(^^;)

以前、ネクタイピンを作ってみたいと師匠に相談したことがある。
ダーリンはネクタイピン着用派
その時、師匠はわたくしにこう聞いた。

「りかしさんは、普段ファッションでネクタイを締めますか?」

締め方は知っているし締めたこともあるが日常的に締めているわけではない
と答えると

「ではまずネクタイを締めるところから始めましょうか(^^)」

これは真理だと思った。
ネクタイピンに要求される使い勝手、使いやすさは
使ってみなければわからない。
技術的にはネクタイピンも帯留めも作ることは可能なのだが
本当に使い勝手を考えたら
ネクタイを締めるところから
和服を着て帯を締めるところから始めないと。

そういうわけで、クラスでは特に日頃あまりアクセサリーをしない
男子生徒には

「授業の時はなるべくアクセサリー着用で」

とお願いしてある。
女性で銀粘土のクラスに来る生徒さんは大抵アクセサリー好きなので問題ないのだが
男性だと自分はアクセサリーを着用しないが作りたい、というタイプもいるので

日々使ってみることで、ペンダントヘッドの重さが2g増えたらどう感じるか
留め具はどこに来るのが使いやすいか
チェーンの長さが10cm変わると付け心地はどう変わるのか
そういったことを実感として知ってほしいからだ。
ただ頭の中だけでカッコいいデザインを考えるのと
そういったことを踏まえたうえでデザインを考えるのと
どちらがより良くなるかは明白だ。

作りたいデザインと使いやすさ、丈夫さ、安全性
これらのバランスをとっていくのは実は大変難しい事なのだが
とても大切なことだ。

なので、作品を作ったらまずはアクセサリーなら身に着けてみよう。
小物なら実際に使ってみよう。
何か不具合を発見したら、修正するなり次の制作に生かすために。


さて、菓子楊枝。
第1回の「何を作るか考える」で決めたのは

・実際に菓子を切って食する実用に耐えられ
・現在使用している市販の菓子楊枝の鞘(布のケース)に納まる
・うさぎの菓子楊枝

だった。

形としてはうさぎの菓子楊枝になっているので
上二つの条件を満たすかを確認しよう。

まず、鞘に納めてみる。

鞘にもジャストフィット

ジャストフィット!
赤い布地に銀色が映えてなかなか良い←自画自賛

では、実際にお菓子を切ってみよう。

ちゃんと使えますv

問題なく切れた!
実は純銀だと柔らかすぎるのでは、という点が気になっていた。
磨いているときもルーターでサンドロール(ロール状の紙やすり)を
あてていると、あてるそばから曲がって行ったし。
工程検討の中で刃の部分だけsilver925(925‰:925/1000が銀)の
銀板をカットしてやすりで刃をつける、というのも考えた。
だが、どうせなら「純銀の菓子楊枝」を作ってみたい。
どうしても使用に耐えないなら、刃をsilver925波とうさぎを銀粘土で作って
ロウ付け、というプランBを考えたうえでの制作だったので
問題なく使えたのは非常に嬉しい。
刃を曲げようとして力を入れれば曲げられるかもしれないのだが
菓子楊枝として通常使用する分には問題ないだけの強度が得られた。

握り心地も、ほとんど違和感なし。
うさぎと波部分はレリーフ状ではあるが
それほどきつい起伏にはしていないので。

うさぎの耳部分が多少鋭利なので、デザインに影響しない範囲で
ヤスリ掛けの時に少々丸めておいた。
床に放り出しておいて誤って踏む、なんてことがない限り
特に危険性はないだろう。
ということで、実用性もクリア。完成である!!

オリジナルの純銀うさぎ菓子楊枝が出来た事で
お茶のお稽古が今まで以上に楽しくなったのは言うまでもない。


9回に渡ってざっくりと制作工程をご紹介させて頂いた。
もし、これで興味がわいたら是非あなたも
銀粘土にチャレンジしてみて欲しい。
作業に刃物と火を使うので、くれぐれも安全に注意して。

また、全国で銀粘土の一日体験講習は開催されているので
そういうのに参加してみるのも一つの方法である。
教室参加を考えておいでの方は、講師との相性もチェックできる。

このあたりのお方でうちの教室を覗いてみたい、または参加したい方
もちろん大歓迎。
くわしくはこちら
わたくしが手塩にかけて育て上げた自慢の生徒さんズと共に
あなたをお待ちしております(^^)

☆作り方連載・銀粘土作品が出来るまで
~第1回・何を作るか考える~
~第2回・デザインを考える~
~第3回・ねりけしでモデルを作る~
~第4回・銀粘土で制作する・1~
~第5回・銀粘土で制作する・2~
~第6回・銀粘土で制作する・3~
~第7回・焼成~
~第8回・仕上げ(磨き)~
~第9回・実際に使ってみる~ ←いまここ
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