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謙遜の功罪

謙遜は日本人の美徳なのであるが。
それもケースバイケースというかなんというか・・・。

手土産をお渡しする時の常套句として

「つまらないものですが」

というのがある。
最近の人は避ける傾向にあると思うのだが
年配の方はまだお使いになることが。

もちろん本当につまらないものなわけではないが
自分がへりくだることによって相手を立てる、というのは
長年培われてきた日本の文化のひとつだ。
手料理を出したりおすそ分けする時に

「あまり美味しくないかもしれないけど・・・」

なんていうのもこれと同様。

ただし、これを使っては明らかにまずかろう、という場合もある。

例えばレストランに入ったとして。
シェフにいかにも自信なさそうに

「あまり美味しくないかもしれませんけど・・・」

なんて言われてしまったら、もう食べるのが嫌になってしまわないだろうか(苦笑)
ここは例え事実がどうであっても(!)

「当レストランの自慢の一皿を是非!」

と言ってもらった方が食べる側もそうか!という気になるというものだ。


何の話かというと、毎月の生徒作品展示の時
制作者コメントをお願いしているのだが
うちの生徒さんズは皆さん非常に謙虚なので、黙って見ていると
コメントが反省ばかりになってしまうのだ。

もちろん反省して改善点を探っていくのはとても良いことである。
だが、反省点は次回以降の作品に生かしてくれればよいのであって
教室内でそういう話をするのはもちろん構わないが
一般のお客様に見せる展示やコンペで反省ばかりを並べる必要はない。

これが実は結構難しいことであるのは私自身ものすご~く覚えがある。
作品を褒めて頂いた時など、身の置き所がなくて(苦笑)
ついつい

「いえいえ、とんでもないことでございます」
「わたくしなどまだまだで・・・」

と言ってしまうものなのだ。
でもこれって、考えようによっては折角作品を気に入って褒めて下さった方の
感性まで否定することになりはしないか!?というところに思いいたって
改めよう、と思い始めてから褒めて頂いた時ににっこり笑って

「ありがとうございます」

と言えるようになるまでは、かなりの時間と労力を必要とした。

だから生徒さん達がついつい反省ばかりの羅列になってしまうのは
それはもうとてもよくわかる。
わかるのだが、講師としては彼らをそれぞれ個性豊かな
素敵なアーティストに育てる気満々なわけで。

実はこれは結構厳しい要求なのだ。
謙遜がある意味の防御になることもある。
自分を低く言うことで相手の非難を交わすことも出来るから。
だが、そんな予防線を張るよりももし「この程度なの?」と非難されるなら
それを甘んじて受ける覚悟で自分のできる精一杯の努力をするほうが
より一層自分と技術を高めてくれるはずだ。

うちの生徒さんズは、みんなやればできる子ばかり。
なので、彼らの未来を信じて敢えてひとつ退路を断とう。

自分の作品に自信を持とう。
それを作るまでに払った努力と自分自身を認めてあげよう。

時として、自分を認めるのには非常に勇気が必要だ。
「自分はダメだ」
「自分が嫌いだ」
と言っていれば考えずに済む。
自分が嫌いだ、と言いつつ自分自身と向き合っていないから。

欠点があっても、それも含めて今の自分自身を認めてあげよう。
足りないものがあるのなら補えばいいだけのこと。
そのためには今の自分をきちんと見てあげなければ。

あなたは、まだまだ前に進めます。
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