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今月の生徒作品・2011年2月

今月の生徒作品・2011年2月

作品名 「使い魔の羽」
作者 友代さん
制作者コメント 10月に使えるように作りました
          大変だったのは、削ること、磨くこと
          特に磨くのが難しかったです
          うっかり力を入れすぎるとバッキリ折れてしまい
          修復の腕前はちょっとだけ、上がったと思います

使い魔の羽

この作品を制作した友代さんは
実を言うとクラスでも1、2を争う破壊魔で(笑)
完成間近というところで乾燥体を折ってしまい
もう一度修復・・・という作業を良くしている。

クラスの他の先輩もそうだったように
壊す回数が多ければ補修回数も増えるので
修正の腕は格段に上がる。
それの何が良いかと言うと
「壊れたら直せば良い」
と開き直ることが出来れば
削りや磨きでとことん攻めることが出来るし
場合によっては作ったものを一度カットして他のパーツと組み合わせる
と言った工程も選択できるようになるのだ。

・・・そうはいっても破壊した作品の補修は大変なもので。
銀粘土作品を作られたことのある方にはお分かり頂けると思うが
乾燥体が折れると心も折れる。
黙々と壊れては補修し、磨きなおし、また壊れて・・・を繰り返す
友代さんを見ていて、作品が完成する前に
彼女の気持ちが折れてしまうのではないかと気が気ではなかった。
講師が深刻になると生徒がいよいよ神経質になってしまうので
教室ではポーカーフェイスを保つ、あるいはむしろ笑い飛ばす!位を
心掛けてはいるが、自分にも経験があるだけに結構応えるのだ。
講師業って意外とそのあたりが大変だったりする^^;

しかし友代さんは泣き言一つ言わず(心の中ではどうだったかわからないけれど)
黙々と作業を続け、完成にこぎつけた。
作品が仕上がった時は出来栄え以前にとにかく最後まで
作りきった友代さんに拍手、ホッとした、というのが正直な感想だった。

さて、今回展示のために久々に作品をお借りして
改めて見てみると

すごくいいじゃない、この作品!!

羽の薄い部分のアウトラインが傷ついたようにとぎれとぎれになっているのも
取りきれなかった小さな傷も、この「使い魔」にデザインではなく
生き物としてのとんでもないリアリティを与えている。
ポイントで入れたのか、彼女の意図なのかは敢えて聞かなかったが
一石いれた赤い合成石がまるで単眼のようで
赤い一つ目のこういう生き物ー使い魔ーが
本当に世界のどこかに人知れず生息しているのでは、という気さえしてくるのだ。
友代さんがこの先腕を挙げて行くと、傷をまったく残さないことも
型で抜いたようなシャープなラインも出せるようになる。
その時に、この作品のように
「敢えて傷を残す、敢えてラインを不揃いにする」
というのも表現としてありなのだ、ということを知っていてくれると
表現の幅は大きく広がる。

2010年8月に展示したY香さんの作品「銀色蝙蝠」
同じスタイルの羽を扱っているが、あちらは逆に工業製品ではないか
という正確さで作品を仕上げてある。
あの作品に関してはもちろんパーツとしてあの仕上げが大正解。
もしこの「使い魔の羽」をあの仕上げにしてしまうと
味がなくなってどこにもありそうなものになってしまうし
逆に「銀色蝙蝠」がこの「使い魔の羽」の仕上げだと
端正さが足りない、ということになってしまう。

同じモチーフを使いながら制作した二人が
まったく別の仕上げを選び、それぞれが自分の作品にベストな方法を選んだのは
なんとも素晴らしいことだ。

教室の良さはこういった、他の人の作品やスタイルも参考にして学べること。
1人で作り続けるのも楽しいが、相互作用で色々なアイディアが膨らむから。

この作品で補修だけでなく色々腕を上げた友代さん。
午前クラスでは一番の新人だが、着実に前に進んでいる。
今後も彼女の躍進が楽しみだ。

ちなみに、この作品を展示した時に
完成時に作品の良さを見抜けなかったことをお詫びしつつ
無事でき上ってホッとした、が先に来てしまったから^^;
クラスで改めて上記のような解説を行ったことは言うまでもない。

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