Rika実験室

こんなもの作っちゃいました+日々雑感

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春の風

先日近所の図書館に行ったときのこと。
借りる本をあらかたピックアップした後、雑誌コーナーで
最新号を手に取り、書架向かいに並ぶ椅子席へ。
そこには一人の女子高生(中学生・・・ではないと思うのだが)が
椅子に腰掛けて雑誌を読んでいたのだが
この少女にしばし目が釘付けになってしまった。

特に美人だとか派手だとかいうことはなく
むしろどちらかといえば地味な感じなのだが
(正直に言うと、顔や髪型はほとんど覚えていない)
なんとも清楚で大変感じが良い。
まるで草原の片隅にひっそりと、でもしっかりと咲いている
小さな白い花のような。

日頃たくさんの女子高生を見ることがあるのに
一体どこが他の少女達と違うのだろう、と
失礼にならない程度に観察してみると
冷静に自分を振り返ると大変アヤシイのであるが(^^;)
すっと背筋を伸ばして
ひざから足首まで、ぴったりと脚を揃えて座っているのだ。

この年代の女の子だと膝は揃えていても膝下はハの字に開いていたり
短いスカートでそれはいかがなものか、という感じに脚を開いて座る子も多い中で
彼女の凛とした姿勢は、それはもう心が洗われるほど美しかった。
特別なことをしているわけではない、ただ椅子に腰掛けて雑誌を読んでいるだけ。
だがその姿勢一つで、日頃見逃されそうな小さなことを
特に気負うでもなく丁寧にきちんと暮らしているのではないか、と
そんなことを感じさせるくらい
彼女の周りだけが清麗な空気に包まれていた。
きっとご両親やおじい様おばあ様に
厳しく、でも愛情一杯育てられたのだろう。
お勉強しなさい、ということよりも
立ち居振る舞いやきちんとご挨拶するとか
そういうことをきっちり躾けられるようなご家庭だったのではないか
などと勝手に想像(笑)

ついつい時間に終われる毎日の中で
動作がぞんざいになってしまうことがある。
しかし、スピードや効率よりも大切なことが確かにあるなと
とてもとても大切なことをこの少女から学ばせてもらった。
ものを作る人間として、それらを丁寧に扱うのも大切なこと。

佐賀の友人から教えてもらったのだが
有田市の小学校では、給食に有田焼の食器を使っているのだそうだ。
シンプルな白磁の量産品ではあるが
有田の小学生達は幼い頃から乱暴に扱うと壊れてしまうことを経験として学び
大切に扱うことで地場産業である有田焼の価値を自然と学び
誇りと愛情とを養っていくのだそうだ。

どんなものにも、それを作り出してくださった方がいる。
大量生産の安物でも、それを設計した方がいる。
本来、ぞんざいに扱ってよいものなどこの世に何一つないはずなのだ。
何かの時に日々の自分自身が出てしまう。
襟を正してもう一度足元をしっかり見つめなおしたいと思った。

穏やかで爽やかな春の風のような少女。
風は何かを動かそうとか変えようだとか
そんなことは考えもせず、ただ軽やかに吹いているだけ。
でもその風を受けて何かが変わることもある。
あなたはこれからも、爽やかな風のままでいてください。

ちょっと深呼吸して
日々の暮らしをもう少し丁寧にすることを
今年の目標に書き加えようかな。
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